大切な方が亡くなった直後は、気持ちの整理がつかないまま葬儀社へ搬送を依頼するケースも少なくありません。しかし、その後に見積もりを確認して想定より費用が高いと感じ、別の葬儀社へ変更したいと考えることもあるでしょう。そこで本記事では、葬儀社をキャンセルする際にトラブルを避けるための注意点を詳しく解説します。
葬儀をキャンセルすることは可能
一度搬送を依頼した葬儀社であっても、葬儀の契約を正式に結ぶ前であればキャンセル可能です。見積もりの内容に納得できない場合や、担当者との相性、対応への不安などから別の葬儀社へ依頼先を変更することは珍しくありません。ただし、ご遺体の安置や搬送を滞りなく行う必要があるため、現在の葬儀社をキャンセルする前に、新たに依頼する葬儀社を決めておくことが大切です。スムーズに引き継ぎができるよう、事前に相談しておくと安心でしょう。
搬送を依頼しただけで正式な契約書を交わしていない場合は、一般的にキャンセル料を支払う必要はありません。見積もり内容に納得できなかったり、サービス内容が希望に合わなかったりした場合でも、契約前であれば別の葬儀社へ変更できる可能性があります。
一方で、契約書にキャンセル料や解約条件が明記されている場合は、その内容に従う必要があるため、契約前に内容を充分確認することが重要です。万が一、契約内容にないキャンセル料を請求されるなど納得できない対応を受けた場合は、消費生活センターなどの公的な相談窓口へ相談することをおすすめします。
葬儀のキャンセルをする際の注意点
葬儀社を変更することは可能ですが、キャンセルにはいくつかの注意点があります。後悔のない葬儀を行うためにも、事前に必要な費用やスケジュールへの影響を確認し、総合的に判断することが大切です。提供済みのサービス費用は請求される
正式な葬儀契約を結ぶ前にキャンセルした場合でも、すでに利用したサービスにかかる費用は支払う必要があります。代表的なものとして、ご遺体の搬送費用、寝台車やスタッフの人件費、遺体の保全に必要なドライアイス代、安置施設の利用料、枕飾りなどが挙げられます。これらの費用は葬儀プランに含まれている場合もありますが、キャンセル時には個別精算となり、結果的に割高になる場合も多いです。一般的には5万~10万円程度が目安とされていますが、搬送距離が長い場合や安置期間が長期に及ぶ場合は費用が高くなることもあります。
請求額に疑問がある場合は明細を確認し、納得できない場合には消費生活センターへ相談すると安心です。
費用は総額で比較する
見積もり金額が高いことを理由に葬儀社の変更を検討する場合は、現在の葬儀社へ支払う費用と、新たに依頼する葬儀社の費用を合わせた総額で比較することが重要です。一見すると別の葬儀社の見積もりが安く見えても、キャンセル時に発生する実費を加えると、最初の見積もりより高額になるケースもあります。そのため、費用だけを見て判断するのではなく、最終的な支払総額を確認したうえで検討しましょう。
一方で、担当者の対応や説明の分かりやすさ、信頼感などに不安を感じる場合は、多少費用が増えたとしても変更する価値があるかもしれません。納得して葬儀を進めるためには、担当者との相性も重要な判断材料です。
葬儀の日程や式場が変更になる可能性がある
葬儀社を変更すると、すでに予約している式場や火葬場に影響が出る可能性があります。火葬場の予約は引き継げる場合もありますが、状況によっては一度キャンセルし、新しい葬儀社が改めて予約を取り直さなければならないケースもあります。また、現在の葬儀社の自社式場を利用する予定だった場合は、その会場を利用できなくなるため、新たな式場を探して予約しなければいけません。その結果、希望していた葬儀日程が変更になる可能性も多いです。
そのため、事前に新しい葬儀社へ確認し、搬送や安置、式場、火葬場まで含めたスケジュールを調整してからキャンセル手続きを進めることが大切です。
葬儀のキャンセルを減らすには事前相談がおすすめ
大切な家族が亡くなった直後、病院などから紹介された葬儀社へそのまま依頼するケースは多くあります。しかし、後から見積もりやサービス内容に不安を感じて葬儀社を変更しようとすると、費用の精算や新たな葬儀社への引き継ぎ、日程調整などが必要となり、精神的な負担も大きくなりやすいです。こうした事態を避けるためにも、生前のうちに複数の葬儀社へ事前相談を行い、費用やプラン、対応などを比較しておくことがおすすめです。あらかじめ信頼できる葬儀社を見つけておけば、万が一の際にも落ち着いて対応しやすくなるでしょう。