大切な人との別れのあと、短い時間の中で進めなければならないのが葬儀の準備です。しかし、あわてたまま葬儀社を決めてしまうと、「思ったより費用が高かった」「不要なサービスまで含まれていた」と後悔につながるケースもあります。そこで本記事では、葬儀の見積もりで確認すべきポイントや注意点について解説します。
どうして葬儀の見積もりを取る必要があるの?
葬儀は人生の中でも何度も経験するものではないため、費用の違いやサービス内容がわかりにくいと感じる方は少なくありません。そこでまずは、葬儀費用で後悔しないように知っておきたいことを紹介します。葬儀で見積もりを取る理由
葬式にかかるお金は、亡くなった方や遺族の希望、地域のしきたり、そして集まる人の数によって大きく変わるものです。葬儀会社からの簡単な口頭での説明やパンフレットに載っている一般的な料金を見ただけでは、実際に支払うことになる合計金額を正確に知ることは困難だといえます。何も確認しないまま話を進めてしまうと、あとから予想もしなかった追加費用が次々と発生してしまい、驚いてしまうケースも少なくありません。
見積もりを取ることでわかること
事前にきちんとした見積書を出してもらい、内容を細かく確認することが重要です。見積書があれば、どのようなサービスにいくらのお金がかかっているのか、内訳をしっかりと把握することが可能です。ほとんどの葬儀会社はていねいに見積もりを作ってくれますが、もし提示を嫌がったり、はぐらかしたりする会社があれば、料金の透明性に疑問があるため、注意したほうがよいでしょう。
また、ひとつの会社だけで決めてしまわず、いくつかの葬儀会社から見積もりを集めて比べることで、より納得のいく選択ができるようになります。
見積書を受け取ったらどこをチェックする?
無事に見積書を受け取ることができたら、まずは書かれている費用の内訳をしっかりと確かめていきましょう。葬儀にかかる費用は、大きく分けると2つの種類があります。これらがどのように計算されているかを理解することが大切です。基本となる葬儀一式費用
葬儀一式費用とは、葬式を行うためにどうしても必要となる基本的な道具やサービスがあらかじめセットになった固定の料金を指します。よくパンフレットなどで基本プランやセット料金といった名前で紹介されているものがこれにあたります。具体的には、葬式の中心となる祭壇や亡くなった方を納める棺、式場を飾る花、お供え物、当日の進行をしてくれる司会者の人件費などが含まれていることが一般的です。
この費用は最初から金額が決まっているため、事前の見積もりと実際に請求される金額とのあいだに大きな差が出にくく、比較的安心して計画を立てられる部分といえます。
人数や状況で変わる追加費用
変動費用とは、先ほどの基本プランには含まれておらず、状況や希望に応じて追加されるオプションの費用のことです。この費用の一番の特徴は、葬式にやってくる参列者の人数によって全体の金額が大きく変わるという点です。たとえば、来てくれた方へ渡す返礼品や通夜のあとに振る舞う料理の代金などがこれに当てはまります。これらは当日に何人が来るか確実には分からないことが多いため、葬式が終わったあとに実際の人数に合わせて精算するのが一般的です。
また、亡くなった方を安置する部屋の利用料や体を冷やすためのドライアイス代なども、基本プランには数日分しか入っていないことがあり、火葬までの待ち日数が長くなると追加の費用がかかるので注意しましょう。
見積もりを依頼するときに気をつけたいこと
大切な家族を亡くした直後は、誰しも悲しみの中で冷静な判断力が鈍くなってしまうものです。あわてて契約をして後悔しないためにも、あらかじめ気をつけておくべき注意点をご紹介します。葬儀費用の目安を事前に調べる
葬式の費用は選ぶ規模や形式によって大きく変わるため、事前の相場を知らないまま葬儀会社に相談に行くと、すすめられるがままに高額なプランを選んでしまう危険があります。まず、葬式には大きく分けて、大勢の人を呼ぶ一般葬、身内だけで行う家族葬、通夜を省いて1日で行う1日葬、儀式を行わず火葬だけをする直葬などがあり、それぞれ費用の目安が異なります。
一般葬ならおよそ100万〜200万円、家族葬なら50万〜150万円、1日葬なら30万〜100万円、直葬なら10万〜50万円ほどが目安です。この相場を頭に入れておけば、提示された見積もりが高すぎるかどうかの判断がつきます。
見積書に載らない費用も考えておく
葬儀会社から出される見積書には、葬式にかかるすべてのお金が載っているわけではないということを知っておく必要があります。見積書とは別に、自分たちで直接用意しなければならない現金やあとから発生する出費があるのです。代表的なものとしては、お経を読んでくれたお坊さんへ感謝として渡すお布施があります。また、遠方から来てくれた親戚の宿泊費やお世話になったスタッフへ渡す心付け、後日お返しする香典返しの費用なども見積もりには書かれていません。
こうした葬儀会社以外へ支払うお金もおよそどのくらいになるか想定しておかないと、予算オーバーの原因になってしまいます。
必要のないサービスが入っていないか確認する
見積書の中身をよく見ると、自分たちの希望には合わない余計なオプションやサービスが最初から組み込まれていることがあります。たとえば、花の量を必要以上に増やされていたり、使わない部屋の利用料が入っていたりするケースです。少しでも費用を抑えたい場合は、書かれている項目をひとつずつ確認し、本当に必要なものだけで構成されているかをチェックしましょう。よく分からない葬儀社オリジナルの項目や何に使うのか分からないものがあれば、そのままにせず葬儀会社の担当者に質問して、不要なものは削ってもらうことが大切です。
見積もりで起こりやすいトラブルとは
葬式の費用をめぐっては、残念ながらあとからトラブルになってしまうケースがあとを絶ちません。どのような問題が起きやすいのかを知り、しっかりとした対処法を身につけておきましょう。見積額と請求額が大きく違う
一番多いトラブルが、事前に聞いていた見積もりの金額よりも、葬式が終わったあとに届いた請求書の金額のほうがはるかに高くなっているというケースです。これは、人数によって変わる料理や返礼品の計算が甘かったり、安置の日数が伸びて追加料金が発生したりすることが原因で起こります。こうした事態を防ぐためには、見積もりを作ってもらう段階で、参列者の人数を少し多めに想定して計算してもらうことが有効です。また、火葬場の空き状況によっては何日間待つことになるのかを担当者に確認し、もし日数が伸びた場合にいくらの追加料金がかかるのかを事前に書面へ書き添えてもらうようにしましょう。
口頭説明だけで契約を進められる
中には、きちんとした書面や契約書を作らず、口頭だけで「だいたいこれくらいの金額で収まりますから安心してください」といって契約を迫る葬儀会社も残念ながら存在します。しかし、形に残らない約束はあとから「いった、いわない」の揉め事に発展しやすく、非常に危険な状態だといえます。どれだけ急いでいる状況であっても、必ず品名と金額が細かく書かれた書面での見積もりを発行してもらうように強く求めてください。もし頑なに書面を出すのを拒むような葬儀会社であれば、信頼して大切な家族をまかせることは難しいため、すぐに別の葬儀会社へ相談し直すのが賢明な判断です。